ERA・EMMA・ALICE検査

不妊治療について

ERA検査とは

ERA検査は、子宮内膜が移植に最適な時期(Receptive)か、補正すべき時期(Non-receptive)かを評価する検査です。

子宮内膜が受精卵の着床を受け入れる状態にある短い期間(受容期)を『着床の窓』と言います。

この『着床の窓』の時間や時期には個人差があり、それを調べるのがERA検査です。

20~30%の方が検査の結果、受容期がズレていたということが分かってきています。

内膜組織の遺伝子を調べることで、移植に適切な時期を捉えることができます。最新のランダム化比較試験でも、ERA検査の結果に従って胚移植を行った方のほうが、ERA検査をしていない方よりも妊娠率が高くなるという報告があり、10人中7人もの患者様が1年後に出産しています。

不妊治療の保険適用と同じ時期にERA検査は先進医療として認められました。

このような方にお勧め

  • 着床しやすい子宮内環境を整えておきたい方
  • 今後の治療プロセスで、自分の子宮内膜の状況を調べておきたい方

EMMA・ALICE検査とは

EMMA検査はどんな細菌がどのくらい子宮内にいるかを調て最適化する為の検査になります。 乳酸菌のような善玉菌が優位な状態であれば問題ないですが、悪玉菌が優位になっていたり、もしくは何も菌がいない場合は治療することで、高い妊娠率につながる子宮内環境を整えることができます。

ERA検査を行う時の注意点は、ERA検査時と胚移植時で同じことを再現することです。そのため、検査時に「ERA検査に影響する可能性のある薬剤」を服用した場合は、移植周期にも同様に服用する必要があります。

ERA検査に影響する可能性がある薬には、下記のようなものが含まれます。
免疫抑制剤(タクロリムス)・抗悪性腫が薬(ピシバニール)・漢方・生薬・ステロイド(飲み薬,注射,塗り薬,吸入薬)・高プロラクチン血症治療薬(カバサール)・甲状腺治療薬(プロパジール/チウラジールなど)・黄体ホルモン剤の追加投与(別の黄体ホルモン剤に変えるなども含む)・排卵誘発剤(ブセレキュア/リュープリンなど)など

EMMA検査で子宮内フローラの状態を確認することができます。ラクトバチルスは、子宮内での雑菌の繁殖を防ぎ女性を守る働きをする常在菌の一種です。ラクトバチルスが多い女性は、着床・妊娠率が高いことが分かっています。

ALICE検査とは感染性慢性子宮内膜炎検査です。

慢性子宮内膜炎の原因になる細菌を調べる検査でEMMA検査とセットで行う検査です。

この検査を行うことで子宮内膜炎の原因菌を検出し、検出された病原菌に対する治療に必要な抗生物質やプロバイオティクスが提案されます。

ALICE検査で調べている菌

腸内細菌科、エシェリヒア属、クレブシエラ属、ストレプトコッカス属、スタフィロコッカス属、エンテロコッカス属、ナイセリア属、マイコプラズマ属、ウレアプラズマ属、クラジミア属

EMA・ALICE検査も先進医療として認められています。

このような方にお勧め

  • 体外受精をしたが、なかなか着床しない、または早期流産を経験された方
  • 慢性子宮内膜炎と診断されて、適切な治療をしたい方

ERA・EMA・ALICE検査の方法

ERA・EMMA・ALICE検査を行う際には実際の胚移植と同様に、自然周期もしくはホルモン補充周期によって子宮内膜を整えていきます。そして、普段胚移植を行っているのと同じタイミングで、移植をする代わりに子宮内膜組織を採取します。なお、この周期に胚移植を行うことはできません。(EMMA/ALICE検査だけを受ける方は、自然周期で検査をしていただいて構いません。その場合は、月経周期の15~25日目に検体採取を行います。)

子宮内膜の採取には、ピペールやエンドサクションと呼ばれるETカテーテル程の細さの器具を使用し、5分程度の時間でおわります。検査時の痛みは人によって差がありますが、月経痛のような痛みがある方が多いとされています。事前に鎮痛剤の投与や局所麻酔を行うことも可能でな病院もありますが、ほとんどの病院ではそのまま採取する場合が多い様ですので、特に痛みに弱い方は相談することをお勧めします。

検査自体は、海外で行われるため検査結果がわかるまでに2〜3週間かかります。

まとめ

  • ERA検査は『着床の窓』がいつなのか調べるの検査。
  • EMA検査は子宮内の細菌の有無と種類を調べる為の検査。
  • ALICE検査は子宮内に炎症がないか、あれば原因菌の種類を調べる為の検査です。
  • 通常の胚移植と同じように内膜を整えてから検査をする。
  • 検体の採取自体は5分程度で終わるが、検査結果が出るのに2〜3週間程かかる。

タイトルとURLをコピーしました