2022年4月から一般不妊治療、生殖補助医療が保険適用されました。
一般不妊治療とはタイミング法、人工授精の事を指します。
生殖補助医療とは採卵・採精→体外受精・顕微受精→受精卵・胚培養→(胚凍結保存)→胚移植のことを指します。
人工授精の費用は?
まずは人工授精から見ていきましょう。
人工授精自体は3割負担で5460円となります。
一回の診察で終わるわけではないので実際には薬の処方や注射など必要な処置の料金、再診料などが加算されるため1万円前後になるかもしれません。
*保険適用前の人工授精の費用は平均3〜5万でした。
体外受精の費用は?
続いて体外受精についてです。
こちらは少しややこしいのですが、
採卵術や凍結保存料という様な基本的なものの金額は決まっていますが、そこに採卵数が1個の場合は
採卵術(9,600円)+1個(7,200円)
2〜5個なら
採卵術(9,600円)+2〜5個(10,800円)
という様に卵子の数で金額が変わってきます。
採卵・採精→体外受精・顕微受精→受精卵・胚培養→(胚凍結保存)→胚移植
青色の部分の処置には全て卵子の数で金額が変わります。
採卵個数1個7,200ー、2〜5個10,800ー、6〜9個16,500ー、10個以上21,600ー
顕微受精1個14,400ー、2〜5個20,400ー、6〜9個30,000ー、10個以上38,400ー
受精卵の培養1個13,500ー、2〜5個18,000ー、6〜10個25,200ー、10個以上31,500ー
胚盤胞加算1個4,500ー、2〜5個6,000ー、6〜9個7,500ー、10個以上
胚凍結保存1個15,000ー、2〜5個21,000ー、6〜9個30,600ー、10個以上39,000ー
胚移植→新鮮胚移植22,500ー、凍結胚移植36,000ー
という様になっています。10個採卵しても全てが凍結に至る訳ではないので採卵数=凍結数ではない事は踏まえておいて下さい。
*保険適用前は病院によって料金は異なりますがおおよそ50〜60万前後でした。特定不妊治療の助成金は30万円でしたので自己負担は20万〜30万円といった感じです。採卵や移植までの薬剤や診察料も保険適用となりますので、負担が少なくなる場合も多くなるのではないかと予想されます。
保険診療と先進医療
そして、場合によっては追加で実施される事になる検査や治療の内、先進医療については保険診療と併用出来るようになっています。もちろん先進医療なので保険適用はされていないのでその治療や検査は全額自己負担になりますが、保険診療と同時に受けれるというメリットがあります。次にお話する自費診療との明確な違いです。
自費診療
保険診療でもなく先進医療ではない自費診療というものもあります。これは保険診療とは併用出来ない物となっています。正確には併用は出来るけど、そうすると保険診療出来るはずのものまで全てが自費になってしまうとう仕組みなので使う方は珍しいのではないでしょうか。
そして、注意して頂きたいのが、同じ日に保険診療と自費診療も受けれないということです。日を改めることになります。例えば自費診療の血液検査を勧められて受ける事になったとします。すると「今日はできないので別日で予約を取りましょう」となります。そしてその採血で通院した日は、それだけで帰ることになります。もちろんその他の自費診療を受けることは可能です。
これらを知った時は、もう少しが融通が効く制度にしてくれたらいいのに、
と思いました。通院する回数が増えるのですから…。
民間医療保険
これは、もしも入っていない人ならば治療前に入っておいて頂きたいと思います。
待機期間がありますからそこも計算して治療を開始することをお勧めします。
普通の怪我や入院に対しての補償だけではなく、女性特有の病気なんかに手厚いタイプの商品にしておくのがいいと思います。先進医療特約がついているものだと更に安心です。
いくら保険適用になったとはいえ、やはり治療期間が長くなればなる程経済的な負担は大きいものになります。不妊治療は、ステップアップするほど金額も高額になっていきます。
高度生殖医療の採卵や胚移植は手術扱いになります。採卵は病院によっては入院や日帰り入院扱いになります。入院と手術となると、商品にもよりますが10〜20万円位の補償をされる感じです。
私の加入している保険では入院手術(15万円)、入院後の通院(5,000円)でも補償があり一回の通院でかかる費用が大体カバー出来る位の通院補償でした。
いずれにしても保険会社によって考え方が違っているので補償が手厚いか確認してから加入する事をお勧めします。
私の場合は不妊治療を受けるなんて考える前に加入していたものがたまたまカバーしてくれる商品だったのですが、それでも保険に関して素人だったので保険の窓口にて色々相談して女性特約と先進医療特約を付けたものに加入しました。
保険の窓口、CMなんかでもよく目にするのでご存知の方も多いですよね。沢山ある保険から自分の希望に合うものを選ぶのは大変ですが、プロの方に手伝ってもらえるのは非常に心強かったです。余談ですが年末調整の書類の書き方なんかも対応してくれて、とても助かったのを覚えています。
保険加入の注意点
保険には加入する時に告知義務というものがあります。もし嘘の告知をしていた場合には、契約が解除されたり本当なら補償してもらえていた病気や手術、事故なんかでも保険金が支払われないという場合がります。
この告知義務は不妊治療にも関わりがあります。保険の告知で女性の場合には、“流産経験の有無“というものがあります。流産した経験があった場合「条件付き」など、保険には加入出来るけど、流産に関しては補償外となる条件があったりします。流産は病気ではないけれど、『過去に病気があったら入りにくい』と似たような感覚なのでしょうか。
子宮筋腫に関しても加入出来ない保険が数多くあります。少ない掛け金で人気がある県民共済では完治後5年経過してからなら加入出来る、という条件があったりします。細かく確認が必要です。
加入に条件がついたり不担保になったりとスムーズに話が進まない場合もあります。希望する保険に加入できない煩わしさを感じるなくていい様に、まだの方は先に加入しておく事をお勧めします!
まとめ
・2022年4月から一般不妊治療、生殖補助医療が保険適用されました。
・保険診療と先進医療は同時に受けれる。
・保険診療と自費診療は同時も同日にも受けられない。
・民間医療保険は女性に手厚い補償の商品を選べば安心。
・条件付きや不担保にならない為にも先に加入がお勧め。
今回は保険診療での負担費用と、保険には加入しておいた方が治療費の心配を減らせるというお話でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました(*^^*)